M&Aの手続き方法や流れ
M&Aは、今では会社の規模を問わず、経営戦略上の一つとして採用されており、成約までに半年~1年、長ければ2年ほどかかります。
よって、スムーズに成約するためには、あらかじめM&Aの手続き方法や流れを知っておくことが重要です。
以下では、M&Aの手続きの流れを紹介していきます。
■M&Aの手続き
M&Aの手続きは、主に①準備・検討、②交渉、③最終契約、という流れで行われます。
●準備・検討
①M&Aについての検討
まず、本当にM&Aという選択で良いか、を十分に検討します。M&Aは、会社の目標や将来の方向性に大きく関わるものなので、M&Aという方法が適しているか、M&Aを採用するとして譲れない条件等は何か、を整理しておくことが必要です。
①買収する企業へ渡す自社についての資料の準備
仲介会社が買収する側の企業へ渡す、条件等が提示された書類の作成をします。まず、ノンネームシートという、会社が特定されない程度に情報をまとめたものを作成します。また、ノンネームシートによって譲り受けを希望した会社には、より詳細な会社の概要や、財務状況、企業の強み等が記載された「企業概要書」を開示します。他にも、決算書など、企業の価値評価に必要な資料はたくさんあり、後々必要となってくるため、早めに準備しておきましょう。
②仲介会社(コンサル会社等)と契約を結ぶ
M&Aには、法律や会計という専門的知識が必要になるため、多くの場合仲介会社に依頼することになります。その際、企業にとっての機密情報が漏れないよう、仲介会社とは、「秘密保持契約」を締結します。また、売買についてのアドバイスや提案をもらうことを目的として、「アドバイザリー契約」も締結します。このアドバイザリー契約では、仲介会社の業務範囲や報酬等を内容とします。
そして、譲渡する側の企業と買収する側の企業の双方が、仲介会社とこの契約を結びます。
●交渉
①買収側の企業へのアプローチ
上記の段階で作成した、ノンネームシートを、譲渡先の候補である企業に提示し、検討してもらいます。
②トップ(経営者)面談
候補先の企業が2、3ほどに絞られた段階で、会社の経営者同士で面談を行います。この面談では、M&Aの将来性や経営方針、方向性などを話し合い、お互いの理解を深めることができます。
③条件交渉
トップ面談では、お互いに信頼関係を築くことが目的でしたが、条件交渉の段階では、経営者や従業員の処遇や、秘密事項・守秘義務について、売却価格等のM&Aの細かい条件などを固めていきます。
④基本合意契約書を作成する
トップ面談や条件交渉を通して、お互いに合意した場合には、「基本合意契約書」を作成します。この合意書には、M&Aの条件等が記載されています。
⑤デューデリジェンス
基本合意契約書を作成した後、「デューデリジェンス」という企業調査を実施します。デューデリジェンスとは、買収した側の企業に依頼された弁護士などの専門家が、譲渡した側の企業に対して、法務や税務の観点から調査を行うことをいいます。この際、売却価格が適切か否かなどが判断されます。
●最終契約
①最終譲渡契約書の作成
デューデリジェンスの結果なども踏まえ、M&Aの手続きを進めると決定した場合に、「最終譲渡契約書」を作成します。M&Aの方法によって名称は異なり、また、この契約の締結がM&Aについての最終決定となります。
②クロージング
必要に応じて、経営権を移転する「クロージング」の手続きを行います。会社代表印の引き渡しや、M&Aの方法が株式譲渡である場合は、株式の譲渡によって、クロージングが終了し、このクロージングの終了をもって、M&Aの手続きは完了します。
田中隆資税理士事務所では、大阪市内、神戸市を中心に、関西のエリアで事業承継、M&Aに関する相談を承っております。
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- 経歴
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昭和62年12月2日生まれ。徳島県出身。
大阪経済法科大学卒業。
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近畿税理士会(131417)
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