相続税の基礎控除とは
■基礎控除とは?
相続が発生した場合、相続財産の金額によっては、決して少なくない額の相続税がかかります。もっとも、相続税には基礎控除という制度があり、相続税が全くかからないこともあります。
「基礎控除」とは、相続財産の金額がこの範囲であれば相続税がかからない、という金額をいいます。相続税は、「相続財産の総額」-「泣くなった方の負債等」-「基礎控除額」という計算の答えの額が、課税対象となっています。よって、基礎控除額が大きければ大きいほど、相続税の対象となる金額が少なくなり、結果、相続税として課税される額が小さくなります。
そして、基礎控除額を算出する計算式が次のものになります。
基礎控除額=3000万円+法定相続人の数×600万円
例えば、夫が亡くなり、妻と子2人が残された場合、基礎控除額は、3×600万円+3000万円=4800万円となります。
計算式自体は非常にシンプルであるため、法定相続人の数えミスのないようにしましょう。
●法定相続人について
法定相続人は、民法上で規定されており、順位が決められています。第1順位は被相続人の子・孫などの直系卑属、第2順位は被相続人の父母・祖父母などの直系尊属、第3順位は被相続人の兄弟姉妹、となっています。配偶者は常に法定相続人となります。
そして、被相続人の子や、父母が既に亡くなっている場合、孫や祖父母、姪や甥などに代襲相続が発生することがあります。
その場合は、法定相続人の人数が変動することになるため、上記の計算をする際には注意が必要です。
●注意点
相続税の基礎控除の計算をする際、被相続人が養子縁組をしている場合は、注意が必要です。
養子縁組をした養子は、相続人として相続権を有しています。法定相続人が増えれば増えるほど基礎控除額が上がるため、養子縁組をして養子を増やせば相続税対策になると考えるかもしれませんが、基礎控除額を計算する際に法定相続人としてカウントできる養子には上限があります。被相続人に実子がいる場合には、法定相続人としてカウントできる養子は1人まで、被相続人に実子がいない場合には、法定相続人としてカウントできる養子は2人までです。
次に、相続放棄をする法定相続人がいた場合、相続税節税という点ではメリットとなるため、知っておくことが重要です。
本来、法定相続人が相続放棄をした場合は、最初から相続人でなかったことになりますが、相続税の計算においては、相続の放棄がなかったものとして計算されます。つまり、相続放棄をした法定相続人がいたとしても、計算上では、その相続人も人数にカウントされます。具体的には、法定相続人が3人いて、そのうち1人が相続放棄した場合でも、上記の計算式では、法定相続人を3人として計算できるということになります。
法定相続人の把握の点で若干複雑ではありますが、基本的には、3000万円+法定相続人の人数×600万円という式を覚えておき、相続財産の総額がこの額を超えた場合は相続税の申告が必要となる、と理解しておけば大丈夫です。
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